
※画像の評価損益前日比率は現金を含まない株式のみのもの。
会社四季報、読むと欲しい銘柄がいっぱい出てきて買いたくなってしまうから読まない、という人もいれば、毎号すべてに目を通す、かぶ1000さんのような方もいれば…
私は通読しようと思ったこともありません。毎号ろくに読みません。保有中の12銘柄と同業種の競合や周辺企業、あるいは著名投資家さんの保有銘柄や身近なところで気になった会社など、発売からしばらくは読んでいる感じで、ある時から放置になる、という感じです。しかし四季報を買わないという選択肢はなく、読むにつけ「適当だなあ、取材してるか怪しいなあ」という面も目につくようにもなりながらも、投資判断をする際には相変わらず重宝しています。
前の主力銘柄で、今年4月に1,000万円以上の利益確定に至った知多鋼業にしても、まず四季報で数年の業績とPER、PBR、ROE、配当利回り、財務などを確認したのち、投資に至っていますし、株価2倍以上になっているJT、ソフトバンクGもまずは四季報にあたり、東急不HDやエネオス、アイフルなどもぱっと同業種他社と比較しやすいのも紙の四季報です。
かの日本の大株主と呼ばれたレジェンド投資家の竹田和平さんはネット隆盛以前の頃からのベテランですが、四季報だけ見て投資先を決めるとおっしゃっていました。著名投資家のエミン・ユルマズさんは「こういうもの(四季報)は海外にはない。自分がこういうものを作るなら大金持ちのみに向けた高額のサービスにする」という趣旨のことをおっしゃっていたほど、利便性は豊かです。
毎号、自分の保有銘柄については必ず真っ先に見ます。大概、長期保有していてよく調べている銘柄ですので四季報の記述などは「浅い、知ってる、よくこんなこと書くよ、ほんとか?」と感じることが多いですが、たまに未知の情報が載っていたりします。ポジティブなことだと握力が強まります。(握力が強まる=保有銘柄を手放さなくなる)
今号では、篠崎屋の通期予想について、いつもは大外しする超楽観的な呑気な第1~第3四半期から定規で伸ばしたような最終黒字予想を出しているところ、珍しく、下振れはしましたが当てるという、珍事が見られました。通常、第4四半期に大赤字を出す企業ということは四季報記者でなくても株主なら周知の事実ながら、今期はついに企業努力が実り、通期黒字達成と、これはもうサプライズです。このように、いまだ多くの人が参考にして売買する四季報を上回る情報を持っていれば、本来間違った値動きという反応があった場合、人の裏を行くこともできます。同業界内の他社の情報を見れば、業界内の重要な別の情報が書いてあったりもします。篠崎屋の通期大幅黒字浮上の理由の一つが同種製品を扱うやまみのページに書いてあります。これはネットでも調べられますが、紙の四季報は早いです。1ページの半分に1企業が集約されており、ぱっと見で見られるのは大きい。
今号では保有銘柄の複数に、「前号比増額」「会社比強気」などのポジティブ予想が見られ、当たるかどうかはともかく、自分の感覚でもそれら企業はいいと思えているので、頼もしい。弱い表現はAnd do HLDの「前号比減額」くらいでしょうか。この会社はこの先注目ですね。2本柱のセグメントの1本が縮小で主力でなくなるとは…
私は個別株投資を始めるなら無勉強でXの話題の銘柄に飛びつくなどという愚行を冒さずに、リンチの「株で勝つ」1冊だけは読め、という派ですが、それと同じくらい四季報も宝だと思います。大事なお金のことなのに、なぜに無謀な投機に走るのか、本来ほぼすべての人に+を長期で確約してくれる株式投資の教本、参考書があるのに無視して自ら損しにいくのか、全く理解できない。四季報2,800円は安い。あまりにも安いと思います。ほとんど読まない私でも、投資歴7年弱で資産2.3倍ですからね。