どうも元水道料金徴収専門員(収納員)のマッハです。
東京都水道局から業務を委託された民間会社で
アラフォーで無資格未経験で5年ほど前に採用されました。
最初は時給のアルバイト(社保完備、フルタイム)で、途中から契約社員となり、
単年契約を更新しながら2018年いっぱいまで働いていました。
ちなみに5年雇い止めではなく自己都合です。
現在は一応個人事業主です。と、言っても稼ぎはしれていますが…
一応当面生活費は蓄えがありますのでやるだけやってみようと思います。
今回は実際水道料金徴収(収納)の仕事で働いてみてどんな感じか、いいところは、
嫌なことは、等を書いていきます。
ちなみに東京都限定です。他地域は同じ社でも色々違うところが多いらしいです。
水道料金徴収専門員(収納員)の仕事の楽しいこと、辛いこと
前章で書いている通り、水道料金を中々支払っていただけないお客様に最後の
コンビニ支払書と、催告文書を戸別訪問にてお届けに回ります。基本スクーターです。
一人ずつ違う方面へ出ますので日中は一人です。なので自分のペースで仕事出来ます。
言い方悪いですがサボり放題ともいえます。まあそんなだらだらやる方が苦痛ですので
ペースよく回って行きます。一軒一軒丁寧に会おうとする人もいますし、投函すりゃ
払うんなら投函でいいでしょと割り切ってポンポン行く人もいます。
まあ気持ちいいです。昼間にバイクで特に晴れた温暖な日なんかは適度な速度で
一人で川べりなんかを流していると「これでお金もらっていいのか」と思います。
自分は外が好きで事務仕事がかなり嫌で、これは知らない世界で精神的に良かった。
運転自体苦手で遠ざけていましたが、まあ向いてはいませんでしたが仕事でこんなに
走れるとわかると自信になりました。また戸別訪問ですが何か売りつけるわけでも
勧誘するわけでもないので良心の呵責がないのがいい。預金集めに飛び込み営業をしていた
元信金マンとか「この仕事はストレスが0%だ!」と言っていました。引き換えに給料の方も
水準は落ちますが… 8時半に出社してチェックして現場に出て昼食食べる人は現場で食べたり
して2時~4時くらいに帰社して休憩して準備して帰るというような流れです。
地図は地図帳をコピーして自分で作ります。
これがいいところで、悪いところは夏冬、梅雨の時の対処です。熱中症には特に気を
付けないといけませんし、雪の日でも路面がとても走れない場合じゃない限りなるべく
出ます。スケジュールが決まっているため、あまり融通が利きません。寒いと手がかじかんで
現場で封筒やお金の処理に手間取ることも年に何度かあります。ハンドルカバーなど
対策をしたうえでの話です。雨の日は紙の文書を濡らさないためにいちいち屋根を見つけて
取り出したり、仕事が増えます。雨の日は階段上り下りや段差などでも転倒に注意が
必要です。バイクの発進時も危険。
そして前にも書きましたが、たまに訪問先で変な人に捕まって絡まれて時間を浪費、精神的に
傷つく、ということもあります。水道局にチクるぞ、とクレーム入れられることも。
まあそこまでの被害はないのですが、何せ理屈が破たんしている場合が大半ですので
相槌でも「はい」「そうですね」とも言いづらく、関わりたくない、と思うことは事実です。
しかしそれが直の理由で辞めるほどではないと思いますが…
収納-電話催告
数日かけてその月の半期の全戸訪問終了後、最初に配ったお客様から順次支払書の表面上の
期限が切れますのでお電話でお知らせします。支払書はしばらくまだ使えます。
結構常連さんが多く慣れているので期限など構わない人も多いです。
つながれば直接お約束頂いたり、支払書をなくしたという方には水道局窓口でのお支払いを
案内します。窓口の営業は平日昼間ですので不便です。そこは交通違反とかと似ています。
夜しか都合つかないという方には夜もやっている郵便局からの書留を案内します。
いついつの何時ならいるから集金に来いと言う方もいます。今ならいるとか。
そんなに暇でもないんですが…東京一区だけで人口何人だと思ってるんだろう。
しかし収納班の中には電話などよりも直接集金だろと何度も現場訪問をかける人もいます。
会社によって営業所によっては、集金は受けない、とも聞きました。
電話口だと強気というお客様も多く、虫の居所が悪いとぶち切れて水道局へクレームを
入れる方も。しかし水道局も慣れてますので、多くの場合はまあ委託会社さんも電話対応
気を付けてよ、で終わります。気をつけようにも年に1~2回はどうしてもやばい人に
当ってしまうもので、そこは割り切りが必要です。
電話は会社や営業所によっても違いますが、基本9時~17時半くらいを限度にして
あまり早くや遅くにはかけません。やはり水道局が開いている間が望ましい。
かけなければいけない件数がたまっていたり、遅い方がつながりやすい人だったりでも
19時まではかけてなかった気がします。
まああまりつながらないのが普通で、留守電になる場合も個人情報しかもお金のことなんで
連絡したいことがありまして、またおかけ直しします、くらいしか入れられません。
収納-開栓業務
委託会社で料金徴収(収納)業務を行うということ自体が新しい形態らしく、今の形が確立した
のは結構ここ数年らしいです。それまで停められた人が払ったからとか引っ越しに伴う
開始開栓とかも検針班が行っていたらしい。しかし今は収納班の仕事です。
私の営業所では開栓専門員はいず、収納班持ち回りで当番制で、開栓の日は基本開栓のみ
従事するという形でした。しかし停水はやはり最終期限頃ある程度まとめて行うので
繁忙期があり、周りが手伝う場面も出てきます。一度に7件も一区の上から下まで
2時間(お客様センターが案内する待ち時間)では回れませんからね。
そして停水の常連ともなると、すぐ来い5分で開けろ、小さい子供がいるんだぞ!とか
今すぐ来い支払ってないけど開栓ついでに集金しろ、とか、無理難題も絡んできます。
しかし開栓業務は一歩間違えると漏水事故につながる可能性があります。
バルブを開けてからトイレタンクに水がたまる15リットルほどまでメーターが回転し、
しっかりと止まることを確認してなるべくお客様にも使用確認をとって頂く。
とはいえ不在が多いですから、開けてみて止まったことを確認して本人確認は取れず、が
大半です。開けた瞬間ばちゃばちゃとトイレ以外のところから音がして2階ベランダから
下に水が流れていたこともあります。これを放置すると水道料金がとかいう以前に
下の階にすごい被害をもたらしますので、損害賠償になります。天井が抜けて下の階が
水浸しで漏電も発生という事故もありました。
なので慎重に慎重を期す作業です。ぱぱっとはできません。
急げと言われてもしょうがないと思うしかないです。
また、これもまあまああるのですが、微妙〰にゆっくり〰と流れて止まらないケース。
トイレタンク15リットルまでは見てそこで止まるかを見なければ作業終了できませんので
ゆ~っくりだとひどい時は1時間以上かかる時も。それに当ると他の開栓は人に振って
もらわなければ間に合わなくなります。あまりにもゆっくりなときは水道局に断りを入れて
1回閉めてお客様自己開栓を案内する文書を投函し電話連絡するという手続きをしたりします。
15リットル過ぎても止まらない場合は、大半がどこか蛇口が少し開いているとかですが、
全て閉まっている場合は漏水と見た方がいいです。多いのはトイレのタンクの故障で
ずっとちょろちょろ流れているパターン。水道料金はバカにならない増加をします。
修繕もお金かかりますが、漏水はだんだん増えていくものらしく、何年も放っておくと
かなりの金額になることも。決壊じゃないけどそれはもうすごい勢いの漏水も見たことが
あります。賃貸なら大家管理会社が修繕費は負担しますが、水道料金は普通自分で払うので
お早い修繕をおすすめします。
それとメーターボックスが物置になっている家がたまにありますが、あれも漏水事故の
危険性を高めます。ゴルフセットをメーターの配管の上に置いていたりすると怖くなります。
損害賠償になってからでは遅いです。
遅番、 宿直 、休日出勤
東京都は夜間開栓を行っており、夜8時とか9時とかに夜間開栓員さんが出勤してきます。
そこの時間は会社によって違います。いや、夜間開栓は別会社がやる場合もあるとか
聞いたような覚えも…?
私たちの定時が17時半頃ですので、夜間の人に引き継ぐために毎日だれか遅番を持ち回りで
置いておきます。引き継ぐまでの間に入った開栓には遅番が行きます。これが通常月に
1~2回。それと開栓員さん+もう1名宿直をこれも持ち回りで置きます。通常月1回ですかね。
宿直は開栓に出ず、開栓員さんのサポートと開栓結果報告が仕事です。
シフトは遅番は出勤時間も遅くなります。ただ忙しい時期は遅く来てもいられない
場合もありますが… 夜間開栓自体は件数は多くないです。宿直は次の日は休みです。
数年前まで休みじゃなかったらしいですが… 遅番は次の日普通に出勤なので夜更かしの分
つらくはなります。自分は入った当初アルバイトでしたので宿直も無しでした。
まあ遅番は大嫌いでしたが、開栓閑散期はみんなが帰ってから夜間の人が来るまでの
会社で一人の時間というのは本当に集中力が出て有効に生かせました。(勉強など)
当たり前ですが夜間割増、宿直手当もちろん出ます。
ただ休日出勤は平日の振り替え休日で代替して、手当というのはなかったです。
急に言われるのではなくシフト表に割り振られて渡されています。先に希望があれば
出します。
休日の仕事は中止清算員さん(引っ越しに伴う水道中止の手続きのため戸別訪問する人)の
サポートと事務処理、開栓だけです。件数が多くて清算員さんの帰りが遅ければ
残業になることもあります。それまでは暇なことが多いです。
収納員のすべて
以上が非正規雇用、水道料金徴収専門員(収納員)の仕事のすべてと言っていいでしょう。
正社員はこれ+水道局対応、書類等の受け渡し、本社研修、他事務所応援、報告書類作成、
仕事の振り分け、シフト作成、最終的に責任を取る、仕事の最終段階を引き継ぐ、
飲み会のセッティング、予約、新入社員研修、はてはスクーター運転指導など、
更に私は非正規ですのであずかり知らぬ部分もあるでしょう、そういった仕事に加え
独特の正社員鬱というのもあります。ないかもしれませんけど。私はこれの前の仕事で
ありました。直属の上司からバイトや契約社員の悪口を言われて自分はなぜか正社員という
カーストだけで良く言ってもらってへーこら同意するのも中々きついもんが…ありました…
派遣契約からの白い眼って言うのもあるんですよね…お前は正社員様だからね、
優秀なんでしょ、全部できるんでしょ?と… まあこれは弱すぎますか。それで辞めたんじゃ
ありませんよ。
意外とおすすめ
ここまで読んで「できない」と思われた方はあまりいないんじゃないかと思います。
運転に苦手意識ある方は不安もあるかもしれませんがスクーターを飛ばさなきゃいけない場面
なんてほとんどないです。法定30キロで走り続けるのも辛いもんがありますが、大至急と
言われようと夜遅番で一人のところへ開栓が重なろうと(ごくたまにある)割り切って
急がないことです。急ぐリスクの方が大きいです。文句言われるのは仕方ありません。
交通事故、漏水事故、その他トラブルを起こさないことを最優先して大丈夫です。
先輩社員もそういってましたし、私自身4年以上やりましたが安全運転で大丈夫でした。
接客、電話応対が自信ない、という方でもできると言えます。実際暗い人もいました。
言うことは決まり切っているし、電話もお金のことだしデリケートなので結構マニュアル通り
なところが多い。他社で営業向いてなかった、という人でも敏腕収納マンやってました。
今は慢性的人手不足で、入りやすくなっていると思います。実際そうです。年齢要件も
書いてあったりしますが正直そうも言ってられないのが本音です。
この仕事だけで一生ってなると私は何とも言えませんが、手に職という意味では
おすすめです。私にとっては一言で言うなら「そこいらへんのバイトより簡単で楽しく
給料が良く生活費を稼ぎながら他のことも頑張れる」仕事でした。