どうも元水道料金徴収専門員（収納員）のマッハです。
東京都水道局から業務を委託された民間会社で
アラフォーで無資格未経験で5年ほど前に採用されました。
最初は時給のアルバイト（社保完備、フルタイム）で、途中から契約社員となり、
単年契約を更新しながら2018年いっぱいまで働いていました。
ちなみに5年雇い止めではなく自己都合です。
現在は一応個人事業主です。と、言っても稼ぎはしれていますが…
一応当面生活費は蓄えがありますのでやるだけやってみようと思います。
水道メーター検針員さんの日記みたいなお仕事ブログはあるのですが
自分が内定するにあたって参考にしようと収納のお仕事ブログを探してもなかったので
今回は水道料金徴収専門員（以下収納員）の仕事についてと、それで得た対人耐性と言うか、
すごく受け入れキャパが広くなったお話をしたいと思います。
ちなみに東京都のみですので、その他地域の仕事のやり方とはだいぶ違うところも多いです。
水道メーター検針と料金算定も同じ会社で行っています。
収納員をやると大抵の人には驚かなくなる理由
仕事内容は、水道料金をしばらく払っておられないお客様に対しての戸別訪問、文書投函、
電話催告です。しばらくというのは数ヶ月です。
メーターを検針後、自動引き落としでない方は送付された払込票を使い支払います。
書いてある期限よりも長く使えますがさすがに過ぎすぎると無理です。1ヶ月ほどで次の
払込票が届きます。それも過ぎると今度はちょっと強い文言の警告といいますか、
払込票を兼ねた文書が届きます。まだ水道は使えます。まだ水道局が取り扱っており、
私達は動きません。そして…それをも通り過ぎた一部のお客様が私達の戸別訪問の対象に
なります。水道はなかなか停まらないんです。一番のライフラインだからです。
ここまでやっても払っていただけずさらに私達をもってしても払っていただけない、そして
さらに水道局がもう少し督促しますが水道が停まるのはその後です。
頑張って頑張ってもどうしてものっぴきならず、やむにやまれず間に合わないという方も
おられます。物理的に無理な場合は仕方ありません。そこは局も相談に乗ります。
或いは持病、急病、障害、認知症などで連絡自体困難な場合などもあります。
外国人の方でレターが読めずに放置というのもたまに出てきます。
しかし、ここまで引き延ばす方というのは、あくまでも私の印象ですが8割方がそこまでの
事情はありません。もう面白いです。
料金を払わない人々
優先順位がそもそもおかしい人が多い。ギャンブルする人も結構います。まあそこは
ありがちでベタですね。電話かけたらパチンコ中とか。
そういうわかりやすいパターンも多いですし、何かってえとすっとぼける傾向です。
郵便受けをチェックするとか郵便物を開封して対応するとか、何がそんなに面倒なのか
とことん後回しにする。遊興費に充てるため、とガスメーターを壊して検針できなくして
捕まった人もいます。とにかくまず払いたくない。あるいは動きたくない。
あとたまにいらっしゃるのが戸別訪問で会えた時に「どうして水道は何か月も前の
督促を今頃来るのですか」とか、私たち以前の払込票を認識できないのか
する気がなくて他の郵便物と一緒に毎回捨てているのか、払っていない自覚がない方。
水道は東京では公共料金の中でも基本料は一番安い。2ヶ月ひとくくりで通常3千円台です。
大家族とかだと跳ね上がるケースもありますが。どうしても払えないケースは少ない。
その証拠に停められると即支払う人が大半です。
すぐに開けろ、すぐ必要だ、うちには子供がいる、動物がいる、何で停めるんだ、
払ったんだすぐ来い、と毎度てんやわんや。その水道開栓業務も収納員の仕事です。
(会社によって、地域によっては開栓専門員を別に置いている場合もあります。)
すぐ来い、が重なるときもあります。そうは言っても限られた人員で他の仕事こなしながら
23区なら1区全域を、場合によっては区外にある営業所から向かうので通常2時間は
お待ちいただくよう案内はしていますが…それをすぐ来いと言うのは…言えますか?
何でこんなになるまで払わないんだと不思議です。
よほど面倒でしょうが？ とことん払わない、面倒はいや、に命をかけている。
つい最近保釈中の犯人が再三にわたる出頭要請に子供以下の言い訳を繰り返して
拒否し倒したあげく逃走して捕まった、という事件がありましたがまさにああいう感じです。
とことん先延ばし。あげく罪の上塗り。力の入れどころがずれている。
水道が短期間停まったせいで飼っていた魚が死んでしまったという方も居ました。
あるいは家族多いわけでもないのに異様に料金高いと思ったら水をいちいち止めるのが
いやだとかで風呂でも何でもすごい勢いで流しっぱなしっていう人もいました。
私にはわかりません。いろんな人がいるんだなあと、それだけです。トリッキーです。
会話になりません。
事情がある方はしっかりと説明してくれますし、いついつまでには、という話も
自分でして来ます。
いつの間にか心が広くなった自分
日中の大半をそういう方たちとのやりとりで費やすと、プライベートで大抵の
おかしな人には動じなくなります。誰か見てイライラするってことがほんとに
なくなりました。いい人の基準が緩くなります。誰も彼もいい人です一般人は。
ほんとに仕事っていうのは色々得るものがありますね。報酬だけじゃない。
これはこの仕事した中での収穫です。生きやすいです。
そして人の振り見て我が振り直せ、で我が身を省みました。
時間、お金、そしてモチベーションの使いどころ。
間違えるとこういう大変なことになるぞと。
まあこんな珍エピソードは枚挙にいとまがないのでまだまだネタは尽きないです。
