日本個別株投資5年を振り返ってみる②/2

日本株投資

日本個別株投資初年度2018年はいきなりショック安を喰らい-10%ほど(正確な数字はこの頃まだ残していない)で終える。しかし参考図書の「株で勝つ」(ピーター・リンチ)には相場そのものの暴落でよい会社の株を売るのは馬鹿げている、よい会社の株は素早く戻す、とあり、全株保有継続。

書いてあったとおり2019年初頭には早くもほぼトントンまで戻すも、保有銘柄について調べがあまりにも足りていず、長期で持つ根拠は足りているのか、理由を簡潔に説明できるのか、疑問すぎて握力が持たず、結局株価ばかりに気を取られる。

→納得いく銘柄に換えてみよう、自分の身近なところから探そう、で、前職バイク仕事にちなみ、「バイク タイヤ メーカー」で検索。出てきた中からニッチトップの大同工業と現在の主力の自動車関連銘柄にしぼられ、圧倒的財務に割安姓、当時の最高益予想も相まって現在の主力に資金を集中させる。

→直後の決算またぎで20%近く上昇し、売り抜けていれば4月初頭にして資産全体でも年初来+17%ほど、100万円以上利確出来たがせず。この銘柄で長期成長の恩恵に与る、と1株も売らず。これが現在に至る投資成績の長期低迷の要因になる。自身の資産全体の現在までの増加率はこの時からのTOPIXの上昇率の半分くらい?

しかし、低迷=負けかと言われると?この長期低迷銘柄に資金の大半をロックされている縛りが安全性を担保したとも取れる?この後来るコロナショックなど乗り切れたのは上にも下にも動かないこのバリュートラップ銘柄が中心のポートフォリオであったおかげではと。

何せあの時は右往左往して後に40%も上がるソニーや大王製紙を一時売ってしまったり減らしてしまったりして代わりに上昇著しかったグロース銘柄を高値づかみして今に引きずる損失に至っている。生き残ること、市場に居続けることが一番大事であって、その観点でいうなら資金の大半を主力に集中させ続けて縛ったのは、ある種正解だったとも。事実、同じ時期に投資始めた個人の方でも毎年二桁%増やしている方もいますが、私も5年なら20%以上、300万円超+。配当金の手取りも100万円に迫る。

もし、この売買もままならない低流動性のバリュー銘柄を主力にしていなかったら、安易に売買できてしまい数百万円よけいにコロナショック時でも動かせちゃっていたわけで、恐らくそのお金はグロースに突っ込んだだろうから、損失額も投資やめてしまおうかくらいになっていたかも。少なくとも2023年の低PBRバリュー銘柄の高騰の波には乗れず、歯がみしていたはず。

年度別の流れは、2019年は2月頃に現在の主力の自動車関連銘柄に集中投資し始め、夏頃に元の900万円に加え500万円を追加入金し、LIFULL、ハウスドゥ、東急不HDの不動産3銘柄を決算前に買い、全てまたぎに成功、LIFULLは短期間で30%~もの利益で売り抜ける。→しかしその後の決算直後に暴落したのを狙って再び買い、上がらず含み損を抱える。ハウスドゥと東急不HDは売らずに長期で、と持ち続ける。

2020年コロナショックで全保有銘柄暴落。LIFULLは業績も大打撃で結局50%もの損切り。-60万円ほどで、結局決算またぎで得た利確分も食い潰し、マイナス。ハウスドゥも長期下落で現在もかなりの含み損。東急不HDもコロナ逆風の業態で長い間含み損に。当時の円高、景気低迷による異常な原油安は当時の保有銘柄で内需企業の大王製紙には明らかに+であり、持ち続けて間違いなかったのに1回売ってしまう。ソニーも当時の準主力だったが業績低迷が怖くて売ってしまう。

そのお金で何を買ったかというと現在も含み損となっているグロースのクラウド銘柄とMonotaRO。当時コロナショック後戻り相場は破竹のグロースバブルで、ずうっと横目で見るのみだったのに堪えきれずに末期にのってしまった。最悪の素人投資。あとは落ちるだけ。

ただ、グロースバブルに踊らされただけでなく、NTTdocomoにも資金を振り向けており、直後にNTTによるTOBに遭い、+40%ほど利益をあげ、その資金で再びソニーを買い戻す。そういう勝利がありつつも、年間全体成績は-2.83%。

2021年は買い直した大王製紙とソニーが+40%台と大きく上昇。全利確。docomo→ソニーのリレーでそちらの資金は半年で合計で倍に。それら大勝利が重なっても、主力の自動車関連銘柄は全く戻らず、グロースは下がり、全体はあと少しで+へは行かなかった。グロースに手を出さず、全額ソニーのままなら+でした。

2022年、23年は教訓から学び、滅多に売買しないことに。他人の大儲けの話は気にせず、上がっている業界、株価に目を奪われずひたすら保有銘柄の理解を深め握力を強める。売買一切せず、22年下落相場の年に+で終える。23年はTOPIXにわずかに及ばなかったものの、予想だにしないバリュートラップ銘柄の主力の自動車関連銘柄や丸八HDのTOPIXを上回る上昇やアフターコロナ低金利恩恵の東急不HDの大躍進など、持ち続けたことが報われる結果も多々みられ、投資人生初の+20%超え。それまでは+10%すらなかった。

ここに来てやっと「株で勝つ」の中身の理解も進んできた感じで、全く正しいなあ、と実感しています。2021年までは「この本古すぎるのかな?」と疑問ばかりでした。投資は長期保有でというから決算またぎで利確出来ずに引っ張って損失まで行っちゃってばかりだし、PERが高すぎる銘柄はダメと言うからグロースバブルに乗れずに横目で見るばかりで結局堪えきれずに乗ったら暴落したし(のるなと書いてあるのにのったのが悪い)、こんな本読まずに気ままに自分の感覚でもう少し緩くやってたら相場並みには勝ててたんじゃ?とか。

確かにグロースバブル相場や、そもそも上昇相場の年は何も考えないミーハーの素人の方が億り人より利益を出せちゃったりします。長期で利益を伸ばしている億り人の方が投資方針がぶれないので、バブルには総じてのらない。例えば今年、バリュー低PBR銘柄の当たり年は、成長グロース株受難の年で、成長株専門の3億り人のはっしゃんさんは年間マイナス。コロナショック後戻り相場のグロースバブル時はバリュー専門のかぶ1000さんは微+にとどまっています。

しかし結局ブレないから自身の判断で割安、成長が見込める株をジッと持って待つので翌年には当てる。かぶ1000さんのグロースバブル後の成績はTOPIXなどと比べものにならない。逆にバブルに踊った素人達は翌年から今に至る大暴落で行ってこい。行ってこいなら万々歳な方で、大抵はバブルフィーバーのまっただ中、高値圏で参入しているのでちょっと上がったあとの暴落だけを食らっている。

今年、私より高パフォーマンスの方でも去年は大きなマイナスだったという例も見られます。相場にのれる分、下落相場では下へ持って行かれる。私はわずかでしたが去年は+でした。

しっかりした軸を持たずに浮ついた投資をしていたら本業に支障が出るメンタルまで追い込まれていたと思います。常に落ち着いて私生活が送れているのも日々の相場を気にせず長期視点で持ちっぱなし投資しているからで、22年と23年に利益らしい利益がやっと出せたのも基本姿勢が確立できたからです。

24年も地に足を着け、他人の儲かった話は聞き流し、会社の業績に着目して株価にとらわれず、指数にもとらわれず、生き残り、市場に居続け、落ち着いた私生活を送れるよう投資していきます。

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