個別株投資開始来約7年。初年度小プラス。次年度小マイナス。コロナショックの3年め小マイナス。マイナス相場の4年目小プラス。5年目相場並みに二桁プラス。6年目集中投資先の知多鋼業が爆上げし大幅プラス。現在7年目終盤。
初年度は相場は上昇で、自分は相場に大負けの小プラス。次年度も相場はプラスの中で小マイナス。3年目も相場はプラスで自分は小マイナス。4年目で初めて相場に勝ち、5年目は初めて相場の上昇についていけて、6年目で今までのすべてを取り戻して余るプラスに。7年目の今も上昇相場の中、まずまず自分も上昇中。
初めて相場に勝った4年目が転機だったわけですが、何があったかというと、何もしなくなったというだけです。実際にポジションを持ち、投資経験を多少なりとも積む中で、相場に負け続けた要因は無用な売買を繰り返したことということがわかりました。別に株に振り向ける努力量を増やしたわけでも四季報を読み込んだわけでも、何かの法則に気づいたわけでもなく、基本何もしない、保有銘柄を保有し続ける方針を固めてから、成績が上向き始めました。
もちろん四半期ごとの決算発表を見て、長期の業績見通しを確認し、どうしようもない悪材料があれば売りも検討しましょうが、基本は保有。もしくは買い増し。これがうまくいっています。
3年目までは、基本長期投資のスタンスでしたが、やはり株価が気になってしまって、何か月も相場に取り残されたりすると焦り、コロナショックのような暴落時には「もっと下がる前に売っておいた方が」と焦り、そこから一部のグロース、テーマ銘柄が急上昇を始めた時は「そっちを買いたい。今持っている株は上がらない。」と焦り、実際に主力銘柄を売ってグロース銘柄を買い、そりゃあもう大損したりました。
この失敗から、仮にこの動きをせずにすべてを放置した場合のパフォーマンスを集計したところ、その年プラスで終われていたことがわかりました。もちろん、グロース、テーマ銘柄の株高にのれた人たちには遠く及びませんが、下手に動くよりはいい成績をあげられていた。また、後年には、当時グロース、テーマ銘柄の急上昇によくわからずのった個人投資家たちはその後大損なんてもんじゃない暴落を長期にわたって食らい、多くが退場していっていました。この経験から、最初に勝った理由が崩れない限り保有銘柄は保有が原則、短期(半年~1年くらい)の株価の動きに惑わされず、他人の成績(または日経平均やTOPIXなどの指数)と比べず、むしろ鈍感になるべき、というピーター・リンチの著「株で勝つ」にある文言を実感することとなり、今に至ります。
言うは易し、で、最終的に2.7倍に上がった知多鋼業(TOBに遭ったので売却)にしても途中何回も売りたくなる場面があり、そうしていたら微益で終わっていました。現在の主力で4倍に上がっているソフトバンクGにしても、割安資産株、業績回復株として買った当初からいろいろあり、株価はずうっと上下していましたが去年今年で恐ろしく上昇に転じています。こんな未来は見えていないが、買った理由が崩れないうちは保有、の方針を貫いているだけ。今の急上昇局面であわてて飛びついたのではない。過去の自分はこういう時に自分の保有銘柄を売ってソフトバンクGに飛びついていたわけです。
自分には特段の努力もないし才能もないし、そこまで投資に情熱もない。優先事項はのんびり暮らしたいということ。それでもTOPIXを上回る(下回っていても全然かまわない)利益をあげられているのは、経験を積んで学び、本の教えを実感としてわかるようになったから。逆に言うとそれだけです。頭の良さとか努力とかを抜きにして言うと、とても重要なのは色んな感情を無視する心。相場についていけない、個人投資家のだれだれに負けている、決算またぎで主力株が急落した、など、全てノイズに過ぎない。大事なのは個別企業の業績。四半期決算1回の加減で株価が急落など、長期の成長にとっては何でもなく、むしろ買い場。そういう業績にかかわる事項なら大きな経済の動きも大事ですが、全体相場の予想は空しく、外れる、そして必ずしも個別企業の業績、株価と連動しない。
要は心がけです。精神論でもおまじないでもない、実は一番大事。それがわかれば、特段技能も努力も必要ない。投資信託の利益が一番大きい投資家は本人が死亡している人だとも言われています。それだけ放置は大事。相場自体は暴落を何度も繰り返しながらも長期ではものすごく上がっている。極論、株価は無視するくらいの、例えばこの先、日銀の利上げが延期されたことで次の利上げタイミングに向けて金利上昇を相場が織り込み、相対的に利回りの悪い割高のグロース株の株価急落が見込まれますが、業績に関しては一ミリの影響もない。急落は買いチャンスとなるわけです。どこまでも落ちるのが怖ければ、買い増さなくたって構わないわけですし。実際、保有銘柄の主力格、サイボウズは一時買値から長いことかけて4分の1くらいまで落ち、全く下げ止まる気配がなかった。今はそこから4倍以上に上がっています。あれだけ下げ続けられたら買い増しできません。そしてそこから上昇に転じたとて、上がってしまってから買い増せず。4倍以上に上がる想像も当然できず、上昇中に買い増しもできない。グロース株は底がわからないし、上昇も予想がつかない。わからないことは考えない。
これからもそういう姿勢、方針で、投資を続けていきます。


