
ヤマシタヘルスケアHDという九州トップクラスの医療機器販売等持ち株会社は、今もPBR1倍をやや割れている割安水準の株価で、祖業の創業から約100年という伝統があり、業績は谷間という様相で、回復、拡大に向け投資をしているところ。買い時とみて、24年末に買い、その後買い増して、ソフトバンクGやサイボウズら主力グループと同じくらいまで割合を増やしました。
初めて買った直後から、CARPE DIEMという会社が同社の株をものすごい勢いで買い進めていることがわかりました。名義はSBI証券となっています。調べても何の会社かわからず、目的もはっきりしていませんでした。しかし、通常は純粋投資目的でここまでの買いはない。
それが、ここに来て動きあり。発表によると、現在18.43%大株主のCARPE DIEM社は、病院事業、高齢者住宅事業、予防医療事業等を展開する㈱桜十字HDのグループ会社で、医療関係でした。
2025年6月時点で13.48%株主であったCARPE DIEM社がヤマシタヘルスケアHDに対し、資本業務提携等を提案。ヤマシタ側は数千の医療機関と取引があり、中立性、公平性の観点から特定の医療法人等との資本業務提携は適さない、と提案を謝絶。CARPE DIEM社は翌年2月にヤマシタヘルスケアHDの議決権の3分の1まで同社株を買い進める意向を示し、続いて6月、社外取締役2名の選任、利益処分提案(配当性向引き上げ)、企業価値向上委員会の設置を株主提案。
これに対し、ヤマシタ側は社としてすべてに反対。社の事業が幅広い医療機関との取引によることから、特定の医療法人の意向を受けた取締役を迎えることは一般株主との間で利益相反が生じる懸念。利益処分案については、配当性向30%目安を50%まで引き上げることは長期的成長の原資を制限する恐れ。そして単に資本効率や株価指標のみに着目した、社外取締役のみで構成される委員会の設置は適切ではない。
アクティビストどころではない、同業界の他社大株主による提案。やっぱり、これくらいのことだよなあ、と。これと無関係のところで自分は株を買ったので、「何だ、何だこの会社は」という程度で、あまり気にしていませんでしたが、こういう流れになって、やっと納得。両社は今のところ折り合いがつく気配がない。かつての大王製紙の株を買い進めて筆頭株主までなった同業他社の北越コーポを思い出す?ここも長年対立していましたが、結局コロナショック、後年の円安、原油高などで製紙業界自体が低迷し、協業やむなし、という様相になっていますが…
はた目にはヤマシタヘルスケアHDの長期計画、経営理念は正しい。CARPE DIEM社の主張は自社への利益誘導目的が主で、短期的な還元強化などによるヤマシタヘルスケアHDの企業価値、株価の向上は長期の成長を損なう恐れ、との反対理由も正しく思える。ただ、全株主提案を否決されてもCARPE DIEM社は更なるヤマシタ株の買い増し、筆頭株主に躍り出る意向を明言している。
当然、こういう動きが出るのはヤマシタヘルスケアHDの株価がPBR1倍割れ、PERも業績の谷間にあっても割高とはいえない割安株であることに要因はある。安い、そして上がる要素が多い、だから一気に大量に買うという動きにもなる。同業種他社だからこそ、わかることもあるのかもしれない。一般個人投資家の中でも凡人の私には、割安、業績回復期待と言ってもここまで買い進めようとは…
株価を割安に放置していると、こういうリスクもあるということ。多くの企業が買収防衛策を導入している。かつての私の主力銘柄であった知多鋼業も、長年超割安に置かれていた結果、筆頭株主であるカヤバ(旧KYB )に買収された。3倍近いプレミアムで買い取られましたが、それでも知多鋼業の純資産から言って全く割高ではなかったというレベルで当時の株価は安かった。
CARPE DIEM社がヤマシタヘルスケアHDをまるごと買収まで考えているとは思いませんが、この先、まだ買い増す、また提案する、そしてヤマシタ側は恐らく否決する。
個人株主としては、注目ではあるんですが、忘れてならないのは、そもそもこの株を買った理由に、この一連の動きは入っていないということです。この成り行きがどうなろうとも、業績に着目して保有し続けるのを基本とすることです。例えばCARPE DIEM社があきらめて株を売り払い、株価が暴落、ということになったとしても、ヤマシタヘルスケアHDの経営がしっかりして、成長が見込めれば保有し続けるということ。それを基本として、堅持したい。

