まさかここまでとは。コロナで四半期赤字を一度出し、上半期苦しんで下期予想はかなりのV字回復を見込み、下期で見れば前年を上回る売り上げ、利益を出すと予想を出していた主力の自動車関連銘柄。さすがに機械的すぎる、淡泊なIRで、今時株式持ち合いが大きな割合を占め、取引先ばかりが大株主に名を連ねるだけあって株主のことなんか考えていない無責任な強気予想だ、と勝手に冷ややかに見ていました。第3四半期決算はそれを打破する数字で、こんなに上がるのか、本当に自動車等製造業は上向いているんだな、と思わせました。実際、中央発條などの同業種他社は同時期に上方修正を出すなどしており、軒並み業績、株価は大幅な上昇を見せています。しかし我が主力銘柄は上方修正を出しませんでした。株価の方も米長期金利上昇、景気回復観測などでグロースから景気敏感バリューへの流れがあったり、右肩上がりではありましたが、緩やかなもので、KYBや大同工業、ネツレンなどに見られる急騰はありません。そして半導体不足による自動車大手減産の報なども入ってきて、2月締めの当社は影響は3月締めの会社よりはまだ初期で小さい?しかしあるはず、予想達成は出来るのか、また、緩やかながらも騰がり続けている株価で、微妙な決算だった場合、もう十分割安すぎるこの株価がまた一時的に急落する余地はあるのか、気になっていました。さりとて、長期で見れば業界全体の回復は明らかであり、今期も上方修正がなかった分ある程度微妙な決算でも失望感は薄いのでは、とも。そこへ来て本決算では通期で見ると前期比売り上げ15%減にとどめ、会社予想から見ると30%増しの経常利益をたたき出し、ポジティブサプライズでした私には。株主一般にはわかりませんが・・・そして元々キャッシュ、有価証券リッチな資産バリュー株ですが、さらに度合いが増し、4/9株価671円で考えると実績PERは今期6.69倍(予想11倍台)ほどで、来期予想PERは5.59倍ほどになりますが、現預金だけで時価総額を大きく上回る上に売掛債権、有価証券を加味した来期の実質予想PERは2.06倍ほどになります。恐るべきバリューです。この業界全体が低PER、PBRに置かれている資産バリュー株の宝庫で、それだけ期待されていないということですが、全体が低い中でもこの会社の実質PERの低さは目を引きます。突出しています。これだけ低株価でも配当利回り2%の低配当性向に売買が困難な低流動性も手伝って資産バリュー投資家をも遠ざけ、なかなか株主を見かけませんが、まだまだ買いだと思います。週明けはどう動くかわかりませんが・・・長期保有です。