株は危険??

stock-investment-diary20200721 日本株投資

日本で生まれて普通に生きていると、株と聞くと「危なっかしい、ごく少数の勝ち組を除いて大半の人は財産をすってしまう、借金を抱えて破産する」といったイメージを持つ場合が多いのではないでしょうか。株取引について学校で何か習ったでしょうか。ほとんど習わない上に家庭でも(我が家の場合は)「子供がお金の話をするな」と言われて育ちました。テレビをつければ面白おかしい株取引での破産話や大当たり話が取り上げられ、怪しげな「専門家」が突飛な解説をしてあおり立て、ますます近寄らないでおこうと思わせられました。漫画でもよくわからない破滅エピソードが安易にストーリーの一部としてよく登場していました。グルメ漫画の「美味しんぼ」では、「自分で自分の資産を把握しきれないリッチマン」というキャラがブラックマンデーで破産し、婚約破棄、指輪までも取り上げ、借金取りから逃れ海外へ高飛び、というストーリーが1~2ページくらいで描かれていて、なんの詳しい説明もない。今だったら恐らくこのリッチマンは投資系の仕事、ファンドなどを運営していて、高リスク商品をレバをかけまくって運用していたら追い証に耐えられず、破産した、くらいの類推は出来ますが、当時は子供で、「株は下落するとゼロを大きく下回るのか?借金していたら厳しいだろうが、リッチなのに借金しないだろうし」とか(レバレッジの知識はないし、資産家が会社運営にあたって借金しない訳でもないこともわからない)、とにかく訳がわかりませんでした。とりあえず株はこれほどのリッチマンさえも暴落の憂き目に遭えば一瞬で破滅する世界なんだ、という何となくの思い込みがあっただけです。しかし現物のみならもちろんそういうことはありませんし、ブラックマンデーでも普通に数銘柄個別株を持っていたらゼロまでも到底届かない。

私の父親(エリートサラリーマンの重役、いわゆるカモ)もごたぶんに漏れず株と不動産でははめ込まれて、自称年収〇千万という割にあまりに質素だった暮らしぶり。家の中には株関係の本など見たこともなく、PERとかいう用語も父の口から聞いたことがない。ただ「ソニーで損するはずはない」とかそういうノリで、ソニーショックで何百万、といった風に大損こいていました。不動産も資産価値は崩壊で、まさに負動産。これも私に「投資は素人は損する」という思い込みを与えました。

私の前いた会社でも周りの社員は「株なんて負けるようになってんだよ」とか「株に手を出したの」とか「2018年の急落前のバブル後最高値はもう2度と日経は更新しませんね」とか。私も現在損失確定分だけでも今年は50万円くらい。含みベースならまだ200万近い。ですが、歴史に名だたるコロナショックです。歴戦の投資家達はとっくに年初来+どころかYH(年初来高値)更新し続けてる人も多いですが、もちろん私はまだそんなこと望むべくもないレベルであることは自覚していますので、コツコツやっています。レバはかけませんので下限はゼロまでです。破産なんてしません。年初来マイナス幅は率にして総資産のたった15%弱です。ピーター・リンチの「株で勝つ」に書いてあったとおりです。「ブラックマンデーくらいのことは私のファンドマネージャー人生の特筆事項に入らない」とありました。「よい会社の株はまた戻る、損切りした人にとっては大損だったろう」とも。事実ソニー等も先頃ショック前の株価に戻ったかと思ったらぐんぐん年初来高値を更新し続けている。10年前の自分に教えたい。さっさと投資を始めろ、危なくなんかない、破産しない、ちゃんと選べば利益を出せる時が来る、と。リンチ曰く「暴落は必ず来る」しかし「いい会社の株を選べば相場の方は気にしなくてもいい」と。私の前いた会社の人たちはきっと今頃私のことを「やはり素人が株なんか始めて、すぐコロナショックとか、人生終わったなあいつ」とでも思っているかも知れません。全然です。こういうショックを早い内に経験できてよかった、くらいのもんです。例えここから更に数年間やって大した利益が出なくても色んなリテラシーが身につきますし、やらない手はなかった。投資には色んな副産物があります。ほんと義務教育で取り入れるべきです。取り入れなければ。

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