この名著をとりあえず読めるだけ何回も読んでから株式投資を始めました。書かれている中で一番大事な大前提は「数年間で必要になるであろう金額をキープした上で余剰資金でやる」「信用取引(レバレッジ、空売り)をしない」「相場急落時に売らない」これを守るだけでほぼ安全です。どうしても最大限突っ込みたくなります。しかし相場の加減は数ヶ月や1年先は読みづらい。事実、2018年末クリスマスショックから1年ちょっとでコロナショックです。全財産を投じていたら狼狽すること間違い無しです。冷静でいられますでしょうか。投資判断を誤らないためにも余裕資金の範囲でやるべきです。信用取引も然り。急上昇の波に乗ろうとして手元現金の倍以上の信用ポジションを取り最大限買うと、ボラティリティーで下に行った時の減り方も最大となる。ゼロより下もある。堪えられるもんじゃない。また、売りは命まで、と言われるとおり、空売りが外れた時の損失は無限。株価は下はゼロまでですが上は天上がない。そして、○○ショックで売らない、は、一番助けられた助言です。多くの人が「気持ち悪くなったので全部売ってすっきりしました」とか、歴戦の億り人投資家も一時ポジションを全売りして撤退し、その後の戻り相場に乗れずその年はマイナスで終わった、とか、いっぱい見ました。私はとにかくリンチの教えを守ってフルポジションのままでいました。(一銘柄だけは株価が下がっただけでなくファンダメンタルズが悪化(スペイン子会社ののれん減損など)が観測されたので損切り)その後急上昇の金融緩和相場に全て乗れました。これはまあ出来すぎですが・・・やはり名著だなあ、助かったなあ、と思いました。
一方で、昔の本だけに、色々とずれてきている面も。例えばPERについて。大企業で50倍とは、あとは落ちるだけ、という件などは隔世の感というか。昔は50倍というのはとんでもない数字だったんだな、と。今は成長企業は借金をたくさんして赤字で上場して売り上げをどんどん伸ばしていき、黒字化は後から、というのも当たり前、PER100倍の銘柄が株価何倍にも成長するのもよくあることです。一見してPERがとんでもなく高いからといって、投資対象から一概に外す判断をしないようにしたいです。売買手数料も本書刊行時から相当下がって安くなっています。現代とのすりあわせもしつつ、実践していきたい。