タバコ大嫌いでJT株への投資など抵抗のある私でしたが、ピーター・リンチの「株で勝つ」にはタバコ銘柄のフィリップ・モリスは世間のそうした感情的反応のおかげで成長会社にもかかわらず株価は上がり続けていてもなお割安水準のままで、チャンピオンとも呼べる銘柄だ、と書いてあります。かつてはJTも増配を続け、高配当性向、高利回りで人気でしたが、10年間で見ると2016年くらいから株価右肩下がりで、それでも高配当だし、禁煙が進む世の中でも需要はなくならないし、と辛抱強く持ち続けていた投資家達も段々根を上げ始めていました。長期下落トレンド。そして遂に2020年期は増配が止まりましたが、株価の割安度も相当進んで、利回りはかなり高くなっていました。そして、2020年8月、値上げ申請が通ったとの報。ちょうど3年前です。ここでぐんと株価は数%切り返しました。私は仕方なくというか、100株だけ、他の持ち株を売ることなく少ないキャッシュで買いました。これはさすがに買いだと思いました。その後しばらく株価は上がりましたが、2021年期ついに減配となり、再び急落。しかし、そこを大底として、再び上昇トレンドになり、2022年期は再び増配。ウクライナ戦争で利益の大きな部分を占めるロシア事業撤退が視野となり、また株価は急落しましたが今は既に戻しています。この保有期間丸3年で含み益58.23%(114,300円)、3年分の配当金5万円弱(税引き後4万円弱)と、100株20万円弱の投資ですが十分な見返り。嫌いで買う気が無かったからこそ、冷静に買い場を待てたと言えます。全体相場のことも考えなかった。次の下落局面で買おう、とか、長期で見れば上がるんだから今買おう、とか考えず買い急がず待ちすぎず、冷静に見られた。全ての投資をこう決めるべきで、コロナ後グロースバブルのすっ高値でつかんだMonotaROやクラウド銘柄等は真逆の投資判断。感情で買いたい、売りたい、となった時は大概外している、動くべきではない。「株で勝つ」にも「良い株を見つけたなら相場の方はあまり気にしなくてもいい、買い時は、今ということになる」と書いてありますが、「長期で成長が見込めようが大幅に買い上げられた割高なものに飛びつくのは馬鹿げている」ともあります。JTにもっと投資していれば、と思いますし、MonotaROをあのタイミングで買うなんて、とも思います。こういう経験を糧にして冷静な投資判断を心掛けたい。