日本株投資1年ちょっと

one-up-on-wall-street18 日本株投資

非正規で働いて分相応に暮らしつつ、独立は常に目指しつつ副業を続け、特段節約して起業資金を貯めるでもなく家計簿をつけてお金と生活の管理をしていたら、無借金でちょっとした店、会社を興せるくらいには貯まってました。プラス初年度赤字の運転資金に生活費くらいは。しかし同学年に高収入の知り合いも結構いるため、この程度の金額は彼らにとっては端数で、この何年かの間に差は開く一方で気休めだな、と思ってました。

ところが最近、医者や外資系エリートサラリーマンなどが結構生活に困窮してむしろ赤字のケースが多いということを知りました。お金の管理、マネーリテラシーの欠如ということらしい。要するに金銭感覚がだめと。

私は経理職を経験して良かったと思いました。昔はお金のことを何もわからず、アルバイト時にレジを開けて「凄いお金だ、毎日こんなに売り上げて」と思ってました。しかしその店は赤字だそう。仕入れのたびに原価をチェックしてみるとなるほど、薄利。これに様々な経費が載る。それを経理部に入ることで余計にはっきりわかりました。収入と支出を管理しないと、かなりの黒字でも時には立ち行かなくなる。家庭でいうと家計簿です。これを1円単位で全てやるだけで非正規の年収300万円以下でも起業資金が特に努力せず貯まる。

そして特に副業が軌道に乗ったわけでも一念発起で専念とかいうわけでもないんですが、ちょっとサラリーマン根性こじらせすぎて会社にもたれかかりすぎていた、挑戦できない人間になりきろうとしていた自分に気づいて独立時期を切り上げました。

起業にあたって資金はいりません。多少の経費のみ。じゃあキャッシュはどうしようかと。起業、経営の本と同時に日本株投資の本も読んでいて、前々から興味自体はありました。庶民には恩恵は感じられませんでしたが景気も株価も数年間ずっと上向いており、巷の「株や不動産など資産のあるお金持ちばかりが得をする」という声もありました。株はそこまでまとまった額は投資に必要ではないんですが・・・とはいえ私は親は典型的エリートサラリーマンで、株、不動産で軒並みやられているのを見ています。手を出すもんではないと思ってきました。

しかし、ピーター・リンチの「株で勝つ」が、まず決定打になりました。書き出しが今も歴史に残る大暴落のブラックマンデーの実体験から始まり、この程度のことはリンチの投資家人生において上位に入る出来事ではなかった、あれは損切りした人のみが損をしただけで、いい会社なら株価はまた上がった、と、書いてありました。他にも、会社の業績、利益にかかわらず株価は短期では揺れ動くが、必ず利益についてくるので何ヶ月単位の上下を無視しよう、であるとか、個人投資家は様々な法律、規制や職場環境、上司などへの説明などに縛られるプロの投資家よりずっと優位である、等、素人の持つ代表的疑問「暴落したらコツコツ築いてきたこともパアでしょ?」「個人がプロに勝てないでしょ?」にスパッと答えてくれている。よく調べれば、そして信用取引、空売りをしなければ損する可能性を限りなく減らせ、最悪でも0、当たれば利益は青天井であるとも。勝率は悪くても一つでも当たれば補えると。私の株取引への見方は大分変わりました。

とはいえ、改訂版が出たのがもう10年以上前。内容は古くなっている、あるいは日本とアメリカの違いもある。そこはネットで現代の億り人投資家達の発信、取材記事などを読むことで、いくつかの相違を除いても十分通用する株取引の要諦だとわかりました。現に私と変わらない数百万円からの投資で億り人となった投資家、坂本さんもこの本が一番役に立ったと言っています。

最初はしかし、どこまで調べれば買いと判断していいのか、身近に決め手となるような材料も見当たらなかったし、かなり良さそうに見えても突き詰めればリンチの本の中の「避けるべき銘柄」の条件に一つ二つ当てはまってしまうとか、決められませんでした。結局大半が「イナゴ買い」(有名投資家の銘柄のパクリ)で、しかも分散しすぎで数を持ちすぎました。時期も悪く、キャッシュを投下し終わった直後にクリスマス急落。(日経平均が10月には2万4千円台だったのが2万円を割り込む)初年度はマイナス10パーセントでした。しかし慌てることはなかったです。億り人投資家達はこの近辺で安くなった優良株を買い、大きな利益としています。一般人はもっと落ちるのを恐れて投げ売りをして損失確定をしていました。私はリンチの本を読んでいたおかげで持ったままじっとしていられました。幸運にも1月にはほぼ元通りになりました。そこまで上手くいかなくとも本にあるとおり、ごく近い内に必要になってこない分の資金で行っているので時間がとれます。 そこから自分でよく調べて、本にあるとおり会社のキャッシュポジション、フリーキャッシュフローの割合等を見て、小学生にも短く説明できるくらいに買いの理由を明確化して、ある銘柄(アイキャッチ画像一番下の銘柄)を大きく買い、イナゴ買いは解消しました。さらに手がかりを得て、不動産銘柄に着目し、まずまずの利益。また年末にかけて去年のようなこともあるかも知れませんが、慌てることはないでしょう。日経平均自体が堅調な年で、自分の資産のプラスの割合は全然負けていますが、自己責任で大きな損失を出さず、今のところプラスでやってこれています。

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