個別株投資を始めて5年と数ヶ月が経過しました。始めて間もなく「クリスマスショック暴落」。その損失を回復しきってようやくプラスになっていった矢先にコロナショック暴落。それでも慌てずに(いや、慌てはしましたが)狼狽もしつつも踏みとどまり、投資を続け市場に居続け、元本を40%も増やし、税引き後の配当金だけでももうすぐ100万円に達します。その要因はやはり投資を実際に始める前にピーター・リンチの「株で勝つ」を熟読したことと、億り人投資家のかぶ1000さんをフォローしたことです。
リンチの株式の6分類の中に「資産株」があります。これは時価総額にしては圧倒的な含み資産を持っている(土地やブランド、その他の有形無形資産など)超割安株のことで、適正価格を大きく下回っていることから水準訂正が起こるまで売らずに保有し続けるべし、と書かれています。かぶ1000さんは株を買う際、そうした割安度も相当重視される方で、バリュー投資家と呼ばれます。
私は「株で勝つ」を何度も読んで、何となく「割安成長株」を探し出して投資したいと思い、しかしどれがそうなんだ、と決めきれずにいた。そんな時かぶ1000さんの取材記事を見つけ、ブログを読み、保有銘柄を調べてみた。とんでもない財務良好な業績安定の企業ばかり。どこから見ても割安。私がとりあえず付箋しておいた銘柄など霞んでしまう。調べるとこういうところに行き着くのか、と。例えば当時かぶ1000さんがいい会社として挙げられていた任天堂はその時に買えば株価は今2倍以上です。或いは割安として挙げられていたソフトバンクGなどは今もその時よりだいぶ高いですが、もっと早い当時から数ヶ月後の段階で相当な値上がりを見せていたり。
私は大いに影響を受け、後にポートフォリオの主力となる自動車関連銘柄を選ぶ決め手は最終的に財務内容でした。もう一つの同業種他社と迷いましたが、もう一つの方は買わず、そちらはその後は業績、株価とも低迷しています。主力の方は株価は(コロナショックで一時含み損になったのを経て)36%超上がり、配当金も約5年分入り、配当を除いた全資産増加額の半分以上を占めています。それくらい上がってもなお株価は超割安を保っており、現在人気の低PBR、1倍割れ銘柄を探す投資家にとって目を引く存在です。業績も上向いています。
リンチの「株で勝つ」で何となく資産株という存在を知ってはいましたが、主たる投資先で物色するならそっちではないな、と思っていました。今も私は資産バリュー株投資家ではありませんが、業績成長とともに財務、換金性の高い資産の割合は基本は重視しています。他の保有銘柄でも例えば東急不HDは膨大な保有不動産の含み益があり、丸八HDや鳥羽洋行は時価総額を大きく超える現金性資産を持っています。バリューとは真反対のグロース銘柄も2つ持っていますが、いずれも好財務、自己資本比率は高い。エネオスも低PBRで1倍割れと割安。
昨今の新NISAブームで口座開設相次いでいる個人投資家界隈ですが、ボラティリティーの高い高視聴率銘柄に触って大損しているという声も聞きます。かぶ1000さんをフォローしろと言いたい。業績堅調な割安銘柄を持っているだけである程度恩恵を受けられる最近の好相場で毎日損ばかりしている某卓球メダリストの方とか、見ていられない。かぶ1000さんの保有銘柄をイナゴしろと言っているのではない。私もそれはしない。考え方、投資スタンスを学べ。そうすれば兼業で普段ほとんど株に触れられなくても、2年以上売買無しでほったらかし(私)でも利益は得られます。自分にも改めて言いたい。かぶ1000さんを見習えと。