製紙企業大手の中で唯一前期増益で終えた大王製紙。ホーム&パーソナルケア部門はマスクや衛生紙、除菌紙、アテントなどエリエールブランドで高シェア。その部門が期待をはるかに上回る伸びで板紙事業(段ボールや広告紙、オフィス紙等)の減益を補って余りある増益ぶり。更に原油安も極端でしたし(原燃料費減)、円高(原材料費減)でしたし、コロナが結果的に総合的には追い風となった形。いわばウイズコロナとも言える(経済停滞で段ボール等は大ダメージでしたが)銘柄となり、株価の方も決算のたびに上伸し、増配、今期も増益予想と文句ない。しかし今年2月22日をピークに株価は下落トレンドへ。3月10日に空前の売りがあって以降は明確な下落方向。ずっと弱く、本決算後も弱い。ワクチンのニュースが出だして、ウイズコロナと見なされていた銘柄からは資金の流出が見られています。経済再開で段ボールは伸び、衛生紙の方も堅調で、海外子会社買収も寄与、物流も改善等、順調ですが、円安がどんどん進んで、原油高も既に中期経営計画の想定を上回っており、まだ上がり続けている。70ドル行くのではないかとも。それらの理由で売られているのかはわかりませんが、決して割高すぎると言えない水準ですが下がっています。原油でも何でもインフレ懸念に対し一時的だという見方と、原油に限っては供給が追い付かず上がる、という見方と、色々聞きます。近頃は原油高恩恵の銘柄の上がりが目立つ。私は大王製紙が危ないとは思わない。原油高恩恵銘柄も心当たりがないわけではないですが、よく調べていないので今のところ検討はしていません。ホールドです。