サイレント・グレイブヤード

stock-investment-diary20201129 日本株投資

元ウオール街のヘッジファンド社長で機関投資家目線の市場解説を毎日豊富に提供してくれている高橋ダンさんが、ある日のYouTube動画内で「この業界にはサイレント・グレイブヤード(墓場は静か)という言葉がある」と紹介していました。つまり、どうしても勝った声、大儲けしたという声があふれ、幾多の屍は声をあげることはできない、損した人は静かになり、聞こえてくるのは儲けた話ばかり、という。

コロナショックのさなか、原油ショックも起きており、どこかのヘッジファンドがその値幅を取って空前の投資利益を得た、という記事が出たとき、ダンさんは「こういうのを無視しろ。こういうハイボラティリティーの時に必ずごく少数の大儲け話が出てくる。しかし例外だ。破産するリスクがとても高い。はっきりしたトレンドが見えるまで手を出すな。」と警告していました。その後も原油は投資家の予想を超えて落ち続け、ダンさんが反転をほぼ確信したのは大分後でした。それまでに大損した人が大勢出ました。その中には歴戦の億り人投資家もいました。その人に乗っかって後追いして大損したイナゴもいたはずです。原油でなくても当時、JRや大手不動産など、ディフェンシブ銘柄を暴落のさなか買い増ししては損切りしていた億り人は多い。追随したイナゴも多い。私は幸いというべきかキャッシュポジションがなく動けなかったし、ダンさんの言うことを聞いて動かないようにしていた。

その後の戻り相場ではテレワークやマスク、EC関連などの銘柄に強力モメンタムが出て、短期で10倍というのもいくつも出た。上手く乗れた人はいいでしょうが、ボラに堪えられず上昇時につかんで翌日大きめに調整したときビビって売った、などで損した人もいましょう。大儲け話は聞くとウズウズする。バリュー投資家は長期の益を狙っているのでずっと年初来マイナスで保有を続けている。方針がはっきりしていないとモメンタムで資産を増やしている声に惑わされてよくわからない銘柄に手を出し損する元となる。大儲けの声の裏には数多の屍あり。長期を見据えて目先の値動きにとらわれない、を貫きたい。

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