「ピーター・リンチの株で勝つ」実践①

one-up-on-wall-street18 日本株投資

どうせ非正規雇用では稼ぎも知れてるし、雇用自体も不安定だし、まあ独立は当然するもの、早晩せざるを得なくなるものと思って進んでいく中で、お金は着々と準備出来てきていました。しかしどうやら副業としてやっていた今の本業は元手なんかほとんどかからないし、利益出なくてもしばらくの間は生活して行くには十分お金あるし、それとは別に起業資金として貯めたお金はひとまず投資に回してみるかと思い、日本株投資の基礎を本で学びました。その中で伝説的投資家としてウォーレン・バフェット、ピーターリンチ、竹田和平さんなどが紹介されていますが、その中のピーター・リンチの著書「株で勝つ」について触れられていました。

リンチの本を読むまでの私は、株は怖いもの、コツコツ収支プラスで立ち回ってきてもあるとき一瞬にして全財産失うどころかマイナスにまで沈むもの、健全な市民が手を出すものではない、という印象を強く持っていました。日本人はそういう傾向が強いと思います。マネーリテラシー教育は学校カリキュラムに入っていず、何となくお金の話はしちゃいけない、金儲けなど汚い、不労所得を得ようなど良くない、という。

事実私の周りで株で財をなした人というのはいません。株に限らず不動産でも何でもそうです。愚か者が飛びついてだまし取られすってんてんになる世界、という印象をどうしても持ちます。テレビに出てくる株長者という人たちは危ない人に見えました。結局一か八かのギャンブルのたまたまの今だけの勝者というか。明日には転落しているのではと言うか。そういう面白げな人ばかりを出して演出もして視聴率を稼ぐのがテレビなんですが。

しかしこの本を読むとどうやらそんなことはないとわかってきました。

冒頭はITバブルへの警鐘から始まります。この頃まさに社名にドットコムがついていれば1年を待たずに株価数倍という一大バブルの頃で、リンチは実体のないこういう形の投資が実るのはごくわずかの期間で自身はNOをつきつける、と明言しています。ソフトバンクグループなど127倍にもなったとか。しかしその後の急落ぶりは恐ろしいものが…

そして第一章は、歴史に残る大暴落、ブラックマンデーの実体験談で幕を開けます。リンチは伝説に残る成長ぶりで顧客に大きな利益をもたらし続けたフィデリティ・マゼラン投資信託ファンドの責任者としてこの暴落に立ち会いました。このときは世界の終わりのようなものを感じたと言いますが、今となってはあれはファンドに携わっていた期間の出来事としては上位には入らない取るに足らない出来事だったと記しています。事実リンチはその年もマゼラン・ファンドの運用成績を何とかプラスで終えています。結局株価は利益についてくるのであって、たとえ相場全体が大きく下げたとしてもいい会社の株は戻りも早い、それどころか経営状況が変わらないのであれば暴落は絶好の買い場である、とも。

まずこの章だけでも大きなショックでした。ブラックマンデーでたいしたことないのであればリーマンショックもライブドアショックもたいしたことないはず。しかもファンド責任者という仕事は一個人投資家と違い年中投資していなければならず、相場から資金を引き揚げて様子見することも許されない、暴落時も居続けてなお利益を上げ続けることなど出来るのか…

今は億り人投資家達もSNSで日々投資に関する自身の動きや人によっては持ち銘柄も全て発信するなどしている時代。調べてみると確かに成功者はリーマン、ライブドア、あるいはバブル崩壊などの時も相場に居続け、資産を増やし続けている。マイナスの年もあるけどプラスの年は大きく伸ばしている。株は大きく上がる日というのが数%あり、その年の数日間を逃すだけで利益は恐ろしく違ってくるとも「株で勝つ」には例示されています。利益を伸ばすには相場に居続けることが大事だと。

じゃあよくテレビに出てくる「資産を溶かした人」というのは何なんだ、借金がどうとか。リーマンショックで一瞬にしてどうこうとか。この本によると答えは信用取引でした。株は自己資金以上の取引が出来ます。株で破産する人というのはこれをフルに使い身の丈を超えた取引を日常的に行っており、それが思い通りの値動きにならないと追加の保証金を入れなければならず、期限に間に合わず大マイナス、あるいは、空売り(まず信用取引で高値で売りを入れておき、株価が下がったら買い戻して差額が利益になる)をしていたら株価が上がりすぎて、損失が天井知らず(下がるのはゼロまでだが上がるのは無限なのが株)というパターンも。つまり、それをやらなければ株価は値幅制限(一日に乱高下しすぎるのを防ぐ)もありますし、急にはそこまで落ちない、落ちてもゼロが限度。対して上がるのは無限。それをあくまでも数年内に必要にならない範囲の、失ってもいい余剰資金で行うことをまず前提として書かれています。生活費に手をつけてしまうと、待てば株価も上がろうと言うときに時間がなくて損切りせざるを得ないことにもなる。そして株を買うのはよーく調べてから。損する可能性をかなり減らすことの出来るギャンブルだ、と書いてあります。

これでやってみてもいいかと思えました。(続く

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