投資元本の貯め方

お金について

以前にも同じような内容の記事を書いているんですが、あらためて。

私はずいぶん前から個別株投資に興味があるにはありました。小説家であり投資家の、石田衣良氏の作「波のうえの魔術師」は、石田氏いわく、「2回しっかり読めば個別株投資を始められるくらいの内容」とのことで、20何年前に読んだんですが、当時は「ここに書いてあるようなことをしなきゃいけないんなら仕事、私生活に差し障る。まとまった元本もないし、目覚ましい成果をあげたとして、倍、3倍になってもたかが知れている。」と、全く投資を開始する気になりませんでした。その後リーマンショックが来て、「株にはこれがある。よくわからないけど破産することもあるらしい。何年もかけて築いた資産が一気に落ち込む?自分には向かない。」と、今思えば絶好の買い場であったショック安相場をスルーしました。当時とて、余剰資金は300万はあった。もっとあったか。業績が堅調で、株価だけがどん底だった銘柄を買っていれば、例えば現在の主力サイボウズなどは、恐ろしく値上がりしています。300~400万円もあったら、しっかり銘柄を選んでいれば、今頃は相当財を成していたと(途中の含み益増や一時的な急落などで売り払ってしまったりしないで持ち続けることができれば、ですが)いう想像もできます。まあ実際はやはり、そこまで大成功はしなかったでしょうけど。

その後、結構大病をして、今も持病ですが、仕事を辞め、無収入期間が長く、しかし前述のとおり貯えがあったので余裕だろう、と、何なら辞めてしばらくは自ら浪費をしていました。それまで使う暇がなかったのもありますが。意外と残高は減らず「お金使うのって大変だな」とか、イキっていました。しかし療養が長引き、完治もせず、社会復帰のめどが立たず、そうしているうちに残高が底をつきかけてきました。「は?なんでこんなに減る?浪費は辞めた最初だけだ、つつましく暮らしててなぜ、こんなに減る!?」と。で、家計簿をつけ始めました。レシートの出ない自販機の買い物まで、全て。そうすると、見えてきました。

今までタダみたいな感じ方をしていた少額の買い物、全て非情に載る。数百円の買い物が1か月積もると、しっかり万円になる。「ずうっと前におろした2万円で何日暮らしてるのよ俺、今月お金使ってないな」と、勘違いしていたんですが、家計簿をつけてみると「ずうっと前」は一週間と空いていない。最近だと気づかされた。人間は、忘れる。他にも、「たまの衝動買い」(お金は使わないと返ってこない、経済を回さないと、という考えもあった)も、全然「たまの」じゃない、毎月のようだったとわかり、しかもそれが生活を潤さない。何を買ったかも思い出せないし、2個買っちゃったりしていた。他にも出るわ出るわ、お金を使うこと自体はいいんですが、明らかに無駄、かつ、何のストレス解消にも生活クオリティー向上にもなっていない、浪費のための浪費が、こんなにも、大げさじゃなく何万も、あったのか、と。使った自覚がない、忘れている支出の額がすごいということが浮き彫りになりました。節約しよう、ではなく、こんなんやってられんわ、と、逆に使いたくなくなりました。

実は個別株投資用の初期投資元本をまとまった額貯められた要因は、この家計簿をつける習慣だけなんです。その後、何とか出来るだけ病状の回復を図り、体調と両立できる仕事を細々とやり、家計簿をつけ続けていただけ。無駄は自動で削られていきました。旨いものも食べ(無駄に高いものには手を出さず)、他の趣味も制限せず、楽しく暮らしつつ、サラリーマンとしてのキャリアは絶望のため、独立起業に備え、資金と知識を貯めていきました。人生を楽しむことを優先しつつ。

支出を把握していれば、人生をバランスよく生活に無理がなく楽しめるものです。細かい浪費はストレス軽減、ふらっとコンビニで買い食いし、パチンコを打ち、外食して、よくわからない衝動買いをして、給料日は散財し…と、いうのが絶対、全て、我慢するくらいなら人生じゃない、今死ぬかもしれない、10年後のことなんか考えて節約など死んでも嫌だ、と思うかもしれませんが、私も近かったですが、家計簿をつけてから変わりました。浪費など人生を潤さない。ちょいとそういうことをやめるだけで何万円もすぐに浮く。何万円なんか、何かあったらすぐじゃないか、誤差だ、と思っていました私も。しかし、家電、自転車、ガス給湯器、トイレ、PC、など、大きな買い替えがあった時、何万円余分な資金があったらケチらずいいのが買えます。ものすごく快適になります。反対に浪費に命を懸けてじゃぶじゃぶ毎日減らしていると、いざ大きな買い物をしなければいけない時にケチらないといけなくなる。私もかつては空調も自転車もケチりました。おかげで毎日苦痛でした。暖房は効かない。自転車は思うように動かない。今は世界が違う。生活は快適。お金は余裕。で、そういう生活を長く続けていると開業資金もできると。

私の場合は独立起業にあたって資金が必要ないことになりましたので、余剰資金をやっと2018年末ごろから個別株投資で運用し始めた次第です。運用成績は、7年弱で2倍以上となりました。元本が無借金でビジネスを開業できるくらいあったので、まあ、増加分も大きい。それもこれももとは家計簿をつけていただけです。何も努力していません。支出を把握し、使いどころを理解してお金を使う。これだけです。

家計簿、おすすめどころじゃありません。今は「レシートいりません」という人を多く見かけますが、よほど稼いでいるのか、それとも、かつての自分のように「お金はどこに消えているんだ」と思っている人なのか。家計簿をつけるだけで10年後の資産は大きく違います。1年でも相当違う。何の手間でもない。

タイトルとURLをコピーしました